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バロック真珠について

2021/06/14
バロック真珠について

バロック真珠とは、歪な形をしたパールのことです。
世界に二つとして同じ形のものはない、ということから、最近ではかえってまん丸ではない「バロックパール」をと、わざわざ指定してご注文くださるお客様が増えています。

かくいう私も断然バロックパール派なのですが、貝という生き物から生まれる真珠ならではの作為のない形に惹かれます。
元々、真珠養殖者の方々は「キズのない」「テリの良い」「形の丸い」美しい真珠を生み出すために日夜尽力しておられるのですが、そこはそれ、頼みの綱は貝なのですからマニュアル通りにはいかないものです。

貝にとって真珠というものは、身体に入った異物を何とか身体の一部にしてしまおうともがきながら分泌物を出し、それを巻きこんでいくもの。
人間の思惑通りにはなかなかいかないですよね。

とはいえ、養殖者の方々の気の遠くなるような努力のおかげで近年は形の丸い玉が数多く生まれ、従来でしたら見向きもされなかった歪なパールが今ではかえって少ない状況のようです。

こんなに激しく歪な真珠が生まれるほど、何がこの貝に起きたのだろう?
そしてその真珠が素晴らしいつややかな、虹色の光沢を持っていたりすると、海の中で生きるために元気に健気に過ごしてきたであろう母貝に思いを馳せてしまいます。

バロック真珠には、もちろんいろいろな形がありますが、ピアスやイヤリング用にドロップ型の真珠をお探しの方も多いですね。
フェルメールの有名な絵画「真珠の耳飾りの少女」でも印象深い、涙型の真珠です。

光量の少ない、暗い部屋の中で浮き上がる少女の白い肌と、耳元に寄り添う真珠の艶やかな光沢の対比が、何かがあったのでは?とドラマ性までをも感じさせる。この真珠がもしも真ん丸だったならおそらくここまで印象深くならなかったのではないか、というのは言い過ぎでしょうか。


他にも、何かの動物の形めいているものや、それこそ大福餅のように下は平らで上はこんもりといった形の真珠を見つけると思わずニヤニヤしてしまいます。

さらに、つい最近までは評価がとても低かった「サークル」という真珠周りに成長する過程を表すかのような筋の入った真珠をあえて選ばれる方もいらっしゃいます。
ちょうど地球儀をくるっと回して一筆で線を描いたような、帯状の突起です。

一本だけでなく、何本も入っているとまるで生クリームを絞ったように見えるものもあります。
そんなバロックパール達を見つけると、この子達はどんなアイテムでどんなデザインにして作ってあげると喜ぶかしら?なんて乙女の気持ちで製作したりもします。何だか、優しい気持ちになるんですよね。

 

最近のお客様は、宝石に対する知識も深く、より完璧を求めるという方よりも、一つ一つの個性を愛でる方が多いように感じております。

まさに、「バロックパール」は個性を愛でる宝石です。

 

今回は「バロックパール」についてお話しました。

 

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